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執筆者の写真Hiroyuki Kudoh

雨土ー天地

今日は雨。雨を浴びたい衝動に駆られ外に出る。雨は強く、浴びる雨が全身に訴えかける。感情が服から皮膚に浸透し、その圧力が体温を冷やす。


雨の音


心にあるものしか、叫べない

音にできない


共感はできる。同情もできる

しかし、足りない



雨が染み込んだ土を触ってみる。

それだけでは、土の感情が伝わらない。


土を捏ねてみる。練っただけでは伝わらない。


土を口元へ。


全身を大地に。


土に還る。


昔、小学生の頃、三年生の頃だっただろうか。一年生の子が近所にいて、

同級生の友達と一緒に交えて遊んでいた。

公園で泥まみれになって楽しんだ。


翌日から、その子は僕たちと一緒に遊ばなくなった。

お母さんに、泥まみれになって遊ぶ子供たちと一緒に遊ぶなときつく言われたと後から聞いた。服が汚れて大変だからと。


それから、数十年。

僕は未だに泥まみれだ。彼はどうしているだろうか。


でも、昔と違うのは、泥がどんどん落ちてゆく。

どんどん、どんどん削がれて落ちて、土がなくても、無邪気にしていて、


気がつくと、骨だけになっていて、夢中になっていて。


それでも、伝えたいものだけが雨に流れずに。


雨土の。



雨土


雨の嘘

流されない心



顕は心の痼


骸が痼を大地に帰す




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